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結び

アフリカへサファリに行く 結び アフリカへサファリに行く 結び 無事タンザニアの旅を終え、ロンドンへ舞い降りる。ヒースロー。欧州でもっとも多忙な空港だ。 スーツケースを引っ張ってターミナルの外へ出る。2月下旬、朝7時。空は曇り、気温5度。雨が上がったばかりのようで、地面がびしょびしょに濡れている。身震いしながらセーターに頭をくぐらせ、ウォータープルーフのコートを着る。埃がない。湿度が高い。空が暗い。ウーバーの運転手さんが「いままでどこへ行ってきたの」。...

ンゴロンゴロ(3)動物たちの楽園を出る

アフリカへサファリに行く ンゴロンゴロ編(3) アフリカへサファリに行く ンゴロンゴロ編(3) 動物たちの楽園を出る 「そろそろクレーターを出たほうがよさそうだ」 私がシャイなクロサイを探していると、シンバが時計を見ながら言う。 「飛行機の時間は?」 ここを出るには、聳え立つクレーターのふち、高さ600メートルの急坂を登らなくてはならない。ジープでなければとてもできそうにない芸当だ。...

ンゴロンゴロ(2)クレーターの動物たち

アフリカへサファリに行く ンゴロンゴロ編(2) アフリカへサファリに行く ンゴロンゴロ編(1) クレーターの動物たち 私たちは「ンゴロンゴロ・クレーター」にやってくる。 およそ3百万年前の大噴火が生んだ、直径20km、高さ600mの巨大なカルデラ。 これはちょっとほかにない。かつて見たことがないし、想像したこともない。それが最初の率直な感想。 この底にある丸い平野は、緑の草木が生い茂り、小川や沼が点在し、25,000頭もの動物たちが平和に暮らしているという。ガイドブックが呼ぶところの「動物たちの楽園」だ。...

ンゴロンゴロ(1)マサイたち

アフリカへサファリに行く ンゴロンゴロ編(1) アフリカへサファリに行く ンゴロンゴロ編(1) マサイたち 夜明け頃、目が覚めてベッドを降りる。Tシャツでは肌寒い。外の気温はかなり下がっているだろう。 フリースを着込み、カメラを持って、テントのジップを押し上げる。 空気はまだ冷たいが、澄み渡って気持ちがいい。そこら中で鳥や虫たちが騒いでいる。 空は朝焼け。濃紺とオレンジ色のグラデーション。 テントの先は、緑の濃い草木が林のように生い茂り、奥へ奥へとつづいている。 この空間にどんな生き物が隠れているだろう?...

セレンゲティ(7)テントに泊まる

アフリカへサファリに行く セレンゲティ編(7) アフリカへサファリに行く セレンゲティ編(7) テントに泊まる 「え、ここじゃない? ああ、そうか。今日はどこへ行ったんだい?」 「あっちだよ。ここを出て、西へ1マイル進んでごらん」 夕方、平原に設置されたテントの前で、おそらくそんなスワヒリ会話が交わされたはずだ。シンバとテントの係員とのあいだで。 シンバが言うには、今夜泊まる予定のテントが、別の場所へ移動してしまったのだという。動物ではない。宿の話だ。 「移動した?」...