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将来どんなところに住みたい?

散歩中ふと、娘とそんな話になった。

海の近く、と彼女は答えた。

そしたら、いつでも泳げるから。

そっかあ、泳ぐの好きなんだね。

津波がとどかない、高いところ。
人がいない、静かなところ。

家族と住む。
猫を飼う。

仕事は家からやればいい。
友だちはときどきオンラインで会って話せばいい。

部屋には窓がふたつあって、海の見える大きな窓と、星の見える天井窓。

そっかあ。

初耳だった。すぐそばで暮らしているのに、彼女がそんなふうに考えているなんて、ぜんぜん知らなかった。

いま風だった。
なんて自然体に、いま風なんだろうと思った。

2020年、世の中のリモート化、ヴァーチャル化はかつてないほど加速して、旧来のあたりまえ、標準はガラガラと崩れつつある。

そんな世界の非連続な変化さえ、つぎの世代は慣れっこになっていくのかもしれない。いまの時代の大人より、はるかに身軽に変化に馴染み、進化していくのかもしれない。

未来はあながち暗くない。

娘には自由な軸で、しっかりと生き抜いてほしいと思う。